WindowsでAWS CLIを使う方法
AWS CLIってなに?
AWSでインスタンス立てたり、S3のバケット作ったりするには「ブラウザでマネジメントコンソール開いて、画面でぽちぽちして作る方法」と「コマンド叩いて作る方法」があるんだけど、後者がAWS CLI(コマンドラインインタフェース)だよ。
たとえば aws s3 ls
というコマンドを叩いて、s3のバケット一覧見たりとかできるよ。
AWS CLIってWindowsでも使えるの?
使える。私もLinuxとかMacのターミナルじゃなきゃ使えないと思い込んでたんだけど、なんとWindowsでもふつーにインストールしてコマンドプロンプトで使えるよ。
WindowsでAWS CLIをインストールしよう
- 以下のページで「Windows(64 ビット)用 の AWS CLI MSI インストーラのダウンロード」を押してダウンロード
AWSCLI64PY3.msi
というインストーラをダウンロードしたらダブルクリックするだけでインストールできる- なんと環境変数のPATHにも以下が自動で追加されるので、手動で追記する必要がないよ
C:\Program Files\Amazon\AWSCLI\bin\
- インストール完了したらコマンドプロンプトを起動してバージョン確認してみよう
$ aws --version aws-cli/1.14.44 Python/3.6.7 Linux/4.15.0-1039-aws botocore/1.8.48
AWS CLIのセットアップをしよう
クレデンシャル情報を設定するには、コマンドプロンプトで
aws configure
を叩いて対話的に入力するだけ- どこのフォルダで叩いても大丈夫だよ
Default output format
にはjson
table
text
の3種類を指定できるよ
$ aws configure AWS Access Key ID [None]: ここにアクセスキー AWS Secret Access Key [None]: ここにシークレットキー Default region name [None]: ここにデフォルトのリージョン(東京リージョンなら「ap-northeast-1」) Default output format [None]: json
この
aws configure
をたたくと%USERPROFILE%/.aws
ディレクトリができて、その下にconfig
とcredentials
のファイルができるよconfig
[default] region = ap-northeast-1 output = json
- credential
[default] aws_access_key_id = ここにアクセスキーが入る aws_secret_access_key = ここにシークレットキーが入る
AWS CLIの動作確認
- インストールとクレデンシャル情報の登録が完了したらAWS CLIを使ってみよう
- たとえば
aws ec2 describe-instances
を叩くと、EC2で稼働中のインスタンス一覧が見られるよ!
動作環境
- Windows 10 Proの環境で動作確認したよ
PHPでexplodeの後にarray_filterも通す理由を推察してみた
gistでPHPのコードを読んでいたらこんな個所があった。
$array = array_filter(explode(' ', $value));
$value
には aaa bbb ccc
みたいなテキストが入ってる。なので explode
をつかって $value
をスペースごとに分割して配列にするところまでは分かる。(explode
については PHP: explode - Manual を参照)
こんな感じのコードを書いて、
<?php $value = 'aaa bbb ccc'; $array = explode(' ', $value); var_dump($array);
実行するとこうなるんだよね。わかる。 aaa bbb ccc
が explode
で分割されて配列になった。
array(3) { [0]=> string(3) "aaa" [1]=> string(3) "bbb" [2]=> string(3) "ccc" }
でもこれにさらに array_filter
かけても、
<?php $value = 'aaa bbb ccc'; $array = array_filter(explode(' ', $value)); var_dump($array);
実行結果はまったく同じ…んんん? array_filter
なにしてるんだ…?( array_filter
についてはこちら PHP: array_filter - Manual を参照)
$ php test.php array(3) { [0]=> string(3) "aaa" [1]=> string(3) "bbb" [2]=> string(3) "ccc" }
array_filter
って 第2引数に「奇数だったらtrueを返すメソッド」みたいなのを指定して、配列の中から奇数の要素だけをフィルタリングする
的なメソッドだと思ってたので、そもそも第2引数が指定されてないと何してるの…?と。
うーんうーんと考えた結果、恐らく次の2つのケースのときに array_filter
が役に立つから使ってるんじゃないかな?と推察したので書いておく。
ケース1. $value
が空文字だったときに empty
の結果が変わる
次のように $value
が空文字だった場合、
<?php $value = ''; $array = explode(' ', $value); var_dump($array); var_dump(empty($array)); $array = array_filter(explode(' ', $value)); var_dump($array); var_dump(empty($array));
explode
だけだと配列に「値が空の要素」が1件入るけど、 array_filter
を組み合わせれば要素は0件になる。
array(1) { [0]=> string(0) "" } bool(false) array(0) { } bool(true)
こういうケースなら empty
で空かどうかチェックしたときの結果が true
と false
で分かれるので、 array_filter
がいる意味わかるー。( empty
についてはこちら PHP: empty - Manual を参照)
ケース2. $value
にスペースが沢山あったときに詰められる
あとは aaa bbb ccc
みたいに $value
にスペースがたくさんあったとき!
こういうときも explode
だけだと要素数が7つになっちゃうけど、array_filter
を通せばフィルタリングされて値のある3つだけになる。
<?php $value = ' aaa bbb ccc'; $array = explode(' ', $value); var_dump($array); var_dump(count($array)); $array = array_filter(explode(' ', $value)); var_dump($array); var_dump(count($array));
array(7) { [0]=> string(0) "" [1]=> string(3) "aaa" [2]=> string(0) "" [3]=> string(3) "bbb" [4]=> string(0) "" [5]=> string(0) "" [6]=> string(3) "ccc" } int(7) array(3) { [1]=> string(3) "aaa" [3]=> string(3) "bbb" [6]=> string(3) "ccc" } int(3)
こういうケースでも array_filter
は有用そう!
ただし false
や null
があるときには要注意
explode
で配列にしたときは、要素はすべて「文字列」として値に入るので、例えば -1 false null
を渡した際に、
<?php $value = '-1 false null'; $array = explode(' ', $value); var_dump($array); $array = array_filter(explode(' ', $value)); var_dump($array);
こんな感じで array_filter
を通しても全く問題ないのですが、
array(3) { [0]=> string(2) "-1" [1]=> string(5) "false" [2]=> string(4) "null" } array(3) { [0]=> string(2) "-1" [1]=> string(5) "false" [2]=> string(4) "null" }
配列に null
やbooleanの false
が入る場合は注意が必要そう。
<?php $value = [ -1, false, null ]; var_dump($value); $array = array_filter($value); var_dump($array);
実行してみると、こんな感じでさらっと false
や null
の要素がフィルタリングされて消えたー。
array(3) { [0]=> int(-1) [1]=> bool(false) [2]=> NULL } array(1) { [0]=> int(-1) }
-1
みたいなの負の数は消えないんだね。なるほど。
こういう「人が書いたコードの意図や、どんなケースを想定しているのかを考える」のは楽しいなー。
なお上記は CentOS 6.10
の PHP 5.6.40
のCLI環境で確認しました。
php -Sをたたくだけで動作確認用のウェブサーバが立てられる
PHPのビルトインウェブサーバーのこと知らなかったので書いとく。
PHP 5.4.0 から、CLI SAPI にはウェブサーバーの機能が組み込まれるようになりました。 URI リクエストの処理は、PHP を開始した時点の作業ディレクトリから行われます。 -t オプションを使えば、ドキュメントルートを明示的に指定することができます。
まじか!Apacheいなくても $ php -S localhost:80 -t /var/www/html/
とかでさっとウェブサーバ立つのか!
PHPのビルトインウェブサーバーって何よ?
PHPには「ビルトインウェブサーバー」という機能があって、それを使うと「ちょっとしたソースをPHPで書いて、ブラウザで動作確認したい!」というとき、わざわざApacheとPHP(mod_php)を入れてバーチャルホスト作らなくても、PHPだけでウェブサーバが立てられるようだ。
どうやって使うの?
たとえばサーバ上でこんな感じの index.php
というソースが /var/www/test/
にあるとする。
<?php echo "neko";
んで自サーバにグローバルIP(203.0.113.222)がくっついているなら、以下のコマンドをたたくだけ。
# php -S 203.0.113.222:80 -t /var/www/test/
たたくとこんな感じでビルトインウェブサーバが立ち上がる。
# php -S 203.0.113.222:80 -t /var/www/test/ PHP 5.6.40 Development Server started at Thu May 15 19:33:14 2019 Listening on http://203.0.113.222:80 Document root is /var/www/test Press Ctrl-C to quit.
そして手元のブラウザで http://203.0.113.222/
を開くと index.php
が表示されたー! /
でアクセスしたときにちゃんと index.php
とか index.html
が出るのね。
ターミナル側はアクセスログも表示される。
[Thu May 15 19:33:21 2019] 203.0.113.111:60374 [200]: / [Thu May 15 19:33:26 2019] 203.0.113.111:60375 [200]: /index.php [Thu May 15 19:33:50 2019] 203.0.113.111:60859 [404]: /favicon.ico - No such file or directory
あとindex2.php
みたいに存在しないページにアクセスすると、次のような404ページが表示された。
Not Found The requested resource /index2.php was not found on this server.
ターミナル側のアクセスログでもちゃんと404って出てる。
[Thu May 15 19:34:29 2019] 203.0.113.111:60376 [404]: /index2.php - No such file or directory
立ち上がってるウェブサーバを落としたいときは、Ctrl+Cを押せばそれだけで終了する。
どんなときに使うもの?
「ちょっとしたソースをPHPで書いて、ブラウザで動作確認したい!」ときに便利!確認してないけどMacなら $ php -S localhost:80 -t /var/www/html/
って書いて、ブラウザで http://localhost/
見ればよさそうだし。
ただphp.netにも
このウェブサーバーは、アプリケーション開発の支援用として設計されたものです。 テスト用に使ったり、制約のある環境でアプリケーションをデモするために使ったりすることもできるでしょう。 あらゆる機能を兼ね備えたウェブサーバーを目指したものではないので、 公開ネットワーク上で使ってはいけません。
と書いてあるように、「これでウェブサイト公開しちゃおう!!」じゃなくて、あくまで自分の動作確認用にさっと使うものなんだね。 地味だけど便利だー。
#技術書典 6で頒布した「技術をつたえるテクニック」と「技術同人誌を書いたあなたへ」の書籍版を販売開始しました
BOOTHで書籍版(PDF付き)の販売を開始しました!
PDF版は先に出していたのですが、BOOTH倉庫に送った書籍版(紙の本)もようやく入荷完了となったので販売開始しましたー!
#技術書典 6で頒布した、新刊2冊の書籍版(PDF付き)をBOOTHにて販売開始しました!技術書典には行けなかったけど読んでみたい!という方はぜひ。目次も詳細に載せています。
— mochiko@DNS好きな:astech:のもちこ (@mochikoAsTech) April 27, 2019
📕#技術同人誌を書いたあなたへ📕https://t.co/JnjTGlCK6F
📙#技術をつたえるテクニック📙https://t.co/6UImEcQ1AG
なんと「技術をつたえるテクニック」と「技術同人誌を書いたあなたへ」は、書籍版を買うとフルカラーのPDF版も付いてくるので、「紙で欲しいな、でも今すぐに読みたいな」という方も書籍版がおすすめです。(価格は書籍版もPDF版も同じです)
書籍版を買うと支払い完了から1~2営業日以内に本がネコポス(送料400円)で送られてきてポストに投函されるようです。(ポストに入らない&不在の場合はクロネコヤマトさんが持ち帰って再配達)
紙の本は送料がなー…と思ったら、BOOTHで「技術書典」とか「技術書典6」で検索した後、「商品タイプ」を「物販(倉庫から発送)」で絞り込んで、他の書籍とまとめて買うのがおすすめだー!(まとめ買いの方が送料お得) #技術書典https://t.co/ucO9gv9AAi pic.twitter.com/L08BRqlwTQ
— mochiko@DNS好きな:astech:のもちこ (@mochikoAsTech) April 27, 2019
書籍版のこだわりポイント
「技術同人誌を書いたあなたへ」の方は、本の中身や表紙に合わせて表紙用紙をハーフエアコットンというざらっとした特殊紙にしてもらいました。表紙から背表紙を通って裏表紙へ、赤い毛糸がつながっている様子は書籍版でないと確認できないので、ぜひ紙の本で見てほしいーー!めっちゃ可愛いんだよー!
「技術をつたえるテクニック」は過去の「DNSをはじめよう」や「AWSをはじめよう」と同じく、PPマット加工を施しているのでさらっとした表紙です。前ペラ(表紙と本文1枚目の間にある遊び紙)は、表紙に合わせた黄色のトレーシングペーパーとなっております!
読んでくださった方の感想はこちらにまとめてます!
「技術をつたえるテクニック」は新卒エンジニアにお勧め
「技術をつたえるテクニック」は教える側だけでなく、教わる側のコツも書いているので特に新卒エンジニアの皆さんにお勧めです。
- とりあえず会議の議事録を書いてと言われたが書き方が分からない
- 新卒が持ち回りで講師になって勉強会を開催することになった
- 先輩の教え方が分かりにくい
- 知らないことを正直に知らないと言えない
などで5月病になってしまいそうな駆け出しエンジニアの皆さんへ届けー。
#技術書典 6に当選したので #技術をつたえるテクニック とタイトル未定の新刊2冊を持っていくよ
4月14日(日)の技術書典6に当選しました!
会場は前回と同じく池袋サンシャインシティです。
技術書のお祭りー!初参加からもう1年が経ったのか、という気持ちです。
今回は「mochikoAsTech」というサークル名で、出口付近の「あ02」にいます!
今回は新刊を2冊持っていきます!
新刊1冊目:「技術をつたえるテクニック」
「技術をつたえるテクニック」は「DNSをはじめようやAWSをはじめようを書くとき、こんなことに気を付けて書いたら分かりやすいって言ってもらえたよ!」という、技術を分かりやすくつたえるためのテクニックをぎゅぎゅっと詰め込んだ一冊です。
エンジニアが技術書やドキュメントを書くときの「もっと分かりやすくて伝わる文章が書きたい!」という気持ちや、勉強会で登壇するときの「もっと技術を分かりやすく説明できるようになりたい!」という気持ちの両方に応える内容となっています。
また #技術をつたえるテクニック では教わる側にもスポットライトを当てて、「誰かから技術を学ぶときにはこんなことに気を付けると短期間でいっぱい成長できるよー」という【技術を教わるときのテクニック】についても触れています。
— mochiko@「AWSをはじめよう」をBOOTHで発売中♡ (@mochikoAsTech) March 8, 2019
4/14(日) は #技術書典 6の【あ02】で @mochikoAsTech と握手ー!
新刊2冊目:技術同人誌のハッピーエンドは「出版社の編集者に見初められて商業出版!」だけとは限らないという話(仮題)
先日noteで公開したばかりの『技術同人誌のハッピーエンドは「出版社の編集者に見初められて商業出版!」だけとは限らないという話』を加筆修正した一冊を持っていきます。
技術書典4でDNSをはじめようが750冊売れた後に、私が波に飲まれそうになった話とか、個人事業主として確定申告した話とか、出版社さんに契約条件を確認したら思いがけない反応が返ってきた話とか、大っぴらに言うにはちょっとはばかられて削った部分を入れようかなと思ってます。
ちなみに既刊のDNS本やAWS本は持ち込まない予定です
既刊のDNSをはじめようやAWSをはじめようは、もうダウンロードカードしかないので持ち込まないつもりです。既刊はBOOTHでダウンロード版を購入できますので、そちらでお求めください。
それでは技術書典6で、みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!!
#AWSをはじめよう に甲木洋介さん・尾形鉄次さん・太田ブンメイさんから書評をいただきました #技術書典
10月8日(月・祝)の技術書典5で頒布(販売)する「AWSをはじめよう」に、クラスメソッド株式会社の甲木洋介さんと、「Web制作者のためのUXデザインをはじめる本」の著者 太田ブンメイさん、そして株式会社ガイアックスの尾形鉄次さんから書評をいただきました!
「AWSをはじめよう」がどんな本なのか、どんな人にお勧めしたいのか、皆さん熱く語ってくださいました。本当にありがとうございます♡
甲木洋介さん(@yokatsuki クラスメソッド株式会社 データインテグレーション部)
本書は前著「DNSをはじめよう」に続き、非常に丁寧な構成で、AWSで基本的なWebサービスを始める手順を説明しています。
従量課金のクラウド環境を使い始める時にやらかしがちなのが、インスタンスの使い過ぎによる過請求、セキュリティ設定の不備による不正アクセスです。本書では、それらのトラブルを防ぐために"AWSを使い始めたら最初にやること"として請求アラートの設定、ルートユーザの普段遣いをしない為のIAMユーザにMFAの設定、更にCloudTrailの設定に至るまで、使う前の入念な準備を提案しています。
また、無料枠でEC2インスタンスを起動する箇所でコラム中をはさみ、バーストに関しての説明を入れているなど、起きうるトラブルを未然に防ぐ為の工夫が随所に施されています。
本書であれば、AWS初学者に「これ、一通り読んでやってみて」と渡しても前述の問題が起きることは無いでしょう。
そして、入門書でありながらバックアップや負荷分散について、具体的な手順や設定後の動作確認が記載されているところが良いと思いました。この辺りのいわゆる非機能に関する設定は、オンプレ環境では初学者がなかなか触れられないところですが、Webシステムにおける運用では欠かせないものです。
本書はクラウド環境の「設定だけで自由に基盤を構成できる」メリットを十分に活かしており、実践的な基礎技術を得る手段として、大いに活用できると思います。
AWSで分からないことを検索すると必ずDevelopers.IOが出てきて、甲木さんをはじめクラスメソッドの皆さんが提供してくださる情報には、本当にいつもいつもお世話になっています!いつもありがとうございます!
続いては「Web制作者のためのUXデザインをはじめる本」の著者、太田ブンメイさんからの書評です。
太田ブンメイさん(「Web制作者のためのUXデザインをはじめる本」著者)
近頃、デザインデザインってうるさいですよね。コンセプトやプロトタイプばっかり作って、でも実際に動かすところになると途端に息をしなくなる “中の仕組みなんて知らんがな系デザイナー” とっても増えましたよね。鬱陶しいですよね。
みなさん、日頃使ってる「Web」って、実際のところ、なんだと思いますか?
思い出してみてください。3.11の震災のとき、Twitterで友達と連絡を取り合った時のこと。通信量が爆発して、サーバーがパンク…しましたか?しませんでしたね。ならば中の人達が「こりゃ大変だ」「ハードウェアの増強だ」と慌ててサーバを組み立てたり…してたと思いますか?絶対してませんよね。
あのとき、著者が冒頭で述べている「好きなだけサーバの台数を増やしたりできる」というクラウドの威力が、リアルにみなさんの命にかかわるところで遺憾なく発揮されたということ。オンプレミスからクラウドへの変革は、決して “中の人だけの話” ではないのです。
プロのサービスデザイナーとして断言しますが、中の仕組みを知らなければ決してデザインできないエクスペリエンスがあります。そして本書では、著者がエンジニアにはあるまじきストーリーテラーぶり(失礼)を発揮しながら「インフラエンジニアリングの自分ごと化」の手助けをしてくれます。Webの世界で何かを作っているあなたがたとえインフラエンジニアでなくても、いやむしろエンジニアでない人にこそ、本書は「デザインの自由度を高める一般教養」として心地よく刺さっていくのではないでしょうか。
前著「DNSをはじめよう」と一緒に、お楽しみください。
ちなみにブンメイさんはご自身の紹介文も面白いので、併せて載せておきます。
太田ブンメイ(評者)
1990年代、インターネット黎明期にエンジニアとしてキャリアをスタート、現在はサービスデザインの専門家へとジョブチェンジ。そういえば前職ではネットワーク仮想化技術(SDN=Software Defined Network)の研究開発チームに参画、UXDの専門家として「仮想化ネットワークのユーザー体験を考える」というミッションに挑んだ。その後どうなったかはよくわからないけどAWSやOpenStackには大変お世話になりました。
株式会社アイ・エム・ジェイ Service Design lab. デザインマネージャー/常葉大学 非常勤講師(造形学部)/日本デザイン学会 正会員/NPO法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)認定 人間中心設計専門家
最後に、前作の「DNSをはじめよう」を読んで色んな方に勧めてくださった、株式会社ガイアックスの尾形鉄次さんからいただいた書評です。
尾形鉄次さん(@xtetsuji 株式会社ガイアックス)
AWSが書名に入っている本書ですが、最初のCHAPTERで解説されるのはインフラやサーバという言葉の意味、そしてオンプレミスの話。オンプレミスのことを知らなければAWS(パブリッククラウド)の有り難さは分からないという理念が伝わってきて、オンプレミスを長年触っていた私にとって嬉しい内容でした。
本題であるAWSの解説は、画面キャプチャを潤沢に掲載した親切さ。初学者を脱落させないという強い意志を感じます。しかも、WindowsとmacOS両対応。そして、現時点での知識でできるセキュリティへの配慮もバッチリ。構築した環境の無駄な課金に配慮してAWSのやめかたで解説しているのには唸りました。
AWSの基本的なサービスについてそこそこ知っていると思っていた私も、最新のT3の話(バーストデフォルトオン)等、各所で学びがありました。読んでいる最中「あれ、これ解説しないのかな?」と思った事柄が次のページや脚注でしっかりフォローされていて、もはや私の出番(?)がありません。
技術各論からは離れるものの、初学者が疑問に持ちがちな部分もコラムとしてまとめられていて、自分がAWSを知らなかったときにこの書籍があれば、何の迷いもないAWSの門出ができて Auto Scaling の実用的な知識まで一気に学べたのになぁ…と思わされます。
既刊「DNSをはじめよう」への参照もあり、両書を読むことでサーバサイドのウェブがどのようなものか、かなり理想的な速習ができると感じました。本書がウェブ系のインフラを志す初学者への定番となり、AWSを使いこなすインフラエンジニアが増えていく未来が楽しみです。
尾形さんの仰るとおり「AWSをはじめよう」はAWSの本でありながら、その前段として第1章でインフラとは何か?サーバとは何か?オンプレミスとクラウドは何が違うのか?といった内容にかなりのページ数を割いています。
一度もお腹を空かせたことがない子に食料備蓄の大切さを説いてもいまいちピンとこないように、オンプレミスの良さや大変さを知らなければ、クラウドのメリットもデメリットも身をもって感じられません。
そんな気持ちで書いた第1章を特に評価してくださった尾形さんの書評は、読んでいてとっても嬉しかったです。
皆さんからいただいた書評は以上です。愛のある書評をたくさんいただいていた「AWSをはじめよう」は、いよいよ明日、10月8日(月・祝) の技術書典5にて頒布(販売)します。
技術書典への行き方や、何時ごろに行けばいいか?などはこちらにまとめてあります。
みなさんのご来場、お待ちしております!それではまた明日!
#AWSをはじめよう に塩谷啓さん・佐々木喜徳さんから書評をいただきました #技術書典
10月8日(月・祝)の技術書典5で頒布(販売)する「AWSをはじめよう」に、「Web制作者のためのGitHubの教科書」著者 塩谷啓さんと、株式会社ガイアックス 技術開発部 部長 佐々木喜徳さんから書評をいただきました!
お二人ともお忙しい中、どうもありがとうございます♡
塩谷啓さん(@kwappa 株式会社ドワンゴ 技術コミュニケーション室長・『Web制作者のためのGitHubの教科書』著者)
前作「DNSをはじめよう」に続いて書評のご指名をいただいたので週末ズガッと読んでみたのですが。
なにこれ?なんでこれ「同人誌」として出版されるの?
ふつうに丸一日のハンズオン研修できる内容ですよ?
スクショたっぷりの親切構成、ちゃんとWordPressという「動くもの」が立つという達成感、Auto ScalingとかEBS Snapshotとか「クラウドならではの利点」まで味わえるという充実の内容じゃないですか。
そのなかでもとくにナイスだったのが、実はめくってすぐのCHAPTER 1。「インフラとサーバってなに?」というインフラの基本のキを丁寧に解説してくれてるからこそ、そのあとの実習がイメージしやすくなるし、「クラウドならではの利点」がより重要なものだと実感できるのではないでしょうか。
いまどきアプリケーションエンジニアも「インフラわかりませーん」じゃすまない時代になってきました。とくに新人のエンジニアの方はには、自分の書いたアプリケーションが動くインフラとはなにかを知るための入り口としていい本です。
新卒研修を担当した経験からは、これを教材にした研修サービスがあったらいいのにな?と思わざるを得ませんでした。
塩谷さんには「DNSをはじめよう」のときも書評を頂いたのですが、今回も「力を入れて書いた第1章」に着目してくださって「さすが!!!」という気持ちになりました。頑張って書いたところが褒められるのは格別嬉しいものですね。
続いては「DNSをはじめよう」がご縁で知り合った、ガイアックスの佐々木さんからいただいた書評です!
佐々木喜徳さん(@norinux 株式会社ガイアックス 技術開発部 部長)
もし私がこの本に副題を勝手につけるとしたら、「ようこそ!WEB技術の世界へ」とつけるでしょう。
前作のDNS本と、今回のAWSを合わせて読めばWEBインフラの全体像が掴めることができるので、これからこの業界で働きたい学生や、エンジニア職にキャリアチェンジしたい方にすごいオススメします。
入門書として親切丁寧でわかりやすいだけじゃなく、英語のメールが届いたからといってスルーしちゃだめよとか、99.999999999%の言い方などの注釈があったり、コラムではミステリー小説なども引用されてたり、AWSの技術そのものだけじゃない小ネタがたくさん散りばめられています。
隣で先輩エンジニアが、懇切丁寧にAWSの使い方を教えてくれているような気持ちにさせてくれる一冊です。
前作の「DNSをはじめよう」はガイアックス社内でも結構読んでいただいているそうです。ありがたや。「人に勧めたい」って最高の褒め言葉ですね。何回でも聞きたいです。
@xtetsuji さんに紹介されて @mochikoAsTech さんの「DNSをはじめよう」を読んでるけど、わかりやすく例え話も面白い!もう長年この業界にいてDNSはある程度理解してるつもりだったけど、それでも学びもあって「DNSって?」て聞かれたら絶対オススメするhttps://t.co/8IbFwocNZn
— 佐々木喜徳 / Gaiax (@norinux) September 4, 2018
色んな方から愛のある書評をいただいている「AWSをはじめよう」は、10月8日(月・祝) に技術書典5にて頒布(販売)します。
技術書典への行き方や、何時ごろに行けばいいか?などはこちらにまとめてあります。
みなさんからの書評はまだまだ続きます。お楽しみに!